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トレラン関連

2010年11月14日日曜日

氷ノ山、参戦記

天候的には当初心配された雨も降らず、熊も現れず、暑くもなく寒くもなく、とっても良い条件でした。
しかし、結果は66km地点のはずの76km地点でリタイヤ。

去年の11月、NHKのワンダー×ワンダーという番組でウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)という世界最高峰のトレラン大会の特集を観て、自分もあそこを走ってみたいと素直に思ったのがきっかけで始めたトレラン。
それから練習を始め、レースは今年4月のハセツネ30を皮切りに、おんたけウルトラ、おんたけスカイ、信越五岳、ハセツネと、今回の氷ノ山は6戦目。
ものの見事に玉砕でした(T_T)
ただ、久し振りに「リタイヤの至福」を感じられたというのも本音。
今の自分としてはベストを尽くしたと言えるからだと思います。
(移動時平均速度が時速5kmが目標のところ5.8kmを達成)
ただ、悔しいという思いも無くはありません、完走が目標だったからです。
あと10分、全体を縮めていれば完走も果たせていたかもしれなかったのです(T_T)
14時間35分の中のたった10分、悔しくないはずもありません。
(累計48分間取っていた休憩を10分縮めていれば・・・。実は第2関門の次のエイドに辿り着いた時、「水が無くなって今部落に汲みに行ってるから10分くらいで戻れる」と聞かされ、なら休もう♪と、どっかり腰を据えて休んでしまっていたのです)

でも、開き直ってリタイヤを決めた交差点で、交通整理をしていてくれたその地区の区長さんとお話をしていて、心が安まりました。
私達がこうして走らせてもらえるのも、その地域の人達の理解とボランティアの皆さんの協力無くしては成立し得ないわけで、頭が下がります。
自分たちは幸せ者です。

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午前3時半起床。
袋状になったシーツのおかげで熱が逃げず、あまり眠れなかったけど大丈夫。

脱力して横になっているだけで、体の疲れは取れるからです。
「眠らないと」っていう強迫観念に捕らわれていると余計に眠れないものですが、こうして開き直るようになってからは、意外と眠れるようになりました。
















午前6時スタート。
獣の匂いのプンプンするトレイルを氷ノ山山頂付近まで一気に登ります。
回りのペースの速いこと速いこと。
みるみる置いていかれるのが判ります。
でも自分はマイペースと心に決めてますので、絶景ポイントでは歩みを止めて撮影も。
















氷ノ山山頂付近の1400mまで850mを登り、それから一気に600mの下り。
途中、殆ど垂直の岩場を鎖を頼りに降下する箇所があり肝を冷やしましたが、何とか無事下山。
手前の急斜面を滑落した若い女性が腕を骨折し、石川弘樹プロに鎖場を下ろして貰っていました。
















マイペースでも第一関門には制限12時の1時間前、11時に着きましたので、ほぼ予定通り。
それからは単調な林道を16km、紅葉を眺めながら歩みを進めます。
登りでは50歩走って50歩歩くという繰り返し、歩き続けることの無いようにして、大幅なペースダウンを防ぎます。
扇ノ山山頂まで350mの登りも下りも殆ど1人でフカフカの枯れ葉の敷き詰められたトレイルを行きます。
別世界という感じ。
















そこから更に400m下って制限18時の予備関門に17時15分到着。
日が暮れてきましたのでライトを準備して装備を直し17時20分出発。
何故予備関門が設けられたか。
説明会の時には理解できませんでしたが、走り始めてというか登り始めて理解させられました。
道無き道の沢登りの連続。
直登ありの沢渡りあり。
ちょっとでも気を抜くと沢に転がり落ちてしまうという恐怖に苛まれながら慎重に登りました。
完全単独行でしたので滑落したらどうなるか判りません。
木の枝に吊されたPowerBarのテープを探しながらドロドロの斜面と格闘すること50分。
やっと抜けたらエイドで石川プロが待っていてくれて「お疲れ様」と声をかけてくれて生還を実感。
そこから220mほど登ってから一気に689mの下り、のはず。
しかし、登りになるはずなのですがなかなか登りになりません。
そうこうしているうちに下り基調になってしまい頭の中が混乱。
実は事前に配られた高低図が、距離も含め間違っていたのです(-_-メ))
上がGPSによる実測値で、下がOSJから配られた高低図で、沢登りの後のエイド⑤以降のルートが明らかに違っているのがお判り頂けると思います。
試走したいのでGPSデータをくれとOSJに電話した際、「細かいところが違っているので・・・」と言って拒否られたのを思い出しました。
もう主催者側は判っていたのですね。
判っていたのなら、説明会で言って欲しいものです。












GPSも先のエイドで交換した際、キロを控えるのを忘れてしまったため、現在の位置が判らなくなってしまいました。
距離表示はそもそもありませんし、ボランティアの方もご存じありません。
こうなってくるとペースを上げる必要があるのか、それでも維持でいいのか全く判らず、何故か歩きだしてしまったのです。
実はこれも敗因です。
数人から追い越され、これではマズイと気付き、ペースを上げ気味で行くことに。
下りは得意ですのでキロ5分半程度のペースで快調に下りました。
ある地点にいたボランティアの方に第三関門までの距離を聞いたら6kmと言われ、関門通過を確信。
しかし、暫く行った下り最終地点で距離を聞いたら更に6kmと。
その時点で関門閉鎖の21時まで既に30分を切っており、キロ5分以上のペースで400m近く駆け上がるのは厳しいな~って考えていたら、「もうすぐ兎和野高原行きのバスが来ますよ」と甘いささやきに負け、リタイヤを決心。
道ばたに座り込み、後から駆けてきたランナーに「あと6km、もう30分切ってるからキロ5分以上で飛ばして~」と声掛けするも、誰一人リタイヤせず逆にスピードアップして駆けていく様には「負け」を感じてしまいました。
ここで私の第一回氷ノ山は終わりました。

それにしても何か釈然としないものを感じながら宿に戻り、既にゴールしていた仲間に聞いたら、やはり実際の距離は80キロではなく96km近く=60マイルあったらしいとのこと。
「OSJらしい」と皆と苦笑い。
基本的に今大会は1時間で5km稼げばゴール出来るとペースイメージしていたので、全体の距離がそもそも16kmも違っていたとなると関門不通過になって当たり前。
でもこれは言い訳ですね。
常に回りの状況を五感を働かせて収集していれば、それなりの判断が出来たはず。
でも、初めての大会ということで事前情報も少なく、回りに走っている人もなく、厳しかったというのが本音。
自分の今の走力に対し、やはり少々厳しかったようです。
これから来年のUTMBに向けて、練習へのモチベーションは上がりました。
あとはそれをどう実践していくか、ですね(^_^)

開始日時 2010/11/14 06:00:06
終了日時 2010/11/14 20:35:53
水平距離 76.15km
沿面距離 79.98km
経過時間 14時間35分47秒
移動時間 13時間47分54秒
全体平均速度 5.5km/h
移動平均速度 5.8km/h
最高速度 22.1km/h
昇降量合計 5933m
総上昇量 2891m
総下降量 3042m
最高高度 1403m
最低高度 385m

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